2024年立憲民主党代表選 科学技術政策アンケート 回答

立憲民主党代表候補の方々に科学技術政策アンケートを送付させていただきました。ご回答いただけた順に公開してまいります。

 

なお、一般の方がどなたでも回答できるフォームもご用意致しておりますので、ぜひご回答の上、各党の結果と比較してみてください(こちらの結果も追って公表の予定です)。

 

現在お答えいただいたのは回答順に以下の各氏です。ありがとうございました。なお、図の中では表記括弧内の略称を使わせていただきます。

 

 枝野幸男候補(枝野)

 野田佳彦候補(野田)

 泉健太候補(泉)

 吉田はるみ候補(吉田)

 

 また、「その他」でご回答いただいた場合は、表の下に内容を表示させていただいています。

 

 一般の方については、21名の方からの回答をいただきました。この回答は、最後にパーセンテージで表示させていただいています。

 


問1

次の二つの意見がありますが、政治家として科学技術政策(特に大学や公的研究機関について の政策)に関わる際に、どちらの意見についてどの程度意識するか、お考えに近いものを一つお選びください。

ア)大学や科学者は国民のお金で研究をしているのであり、その成果は極力国益に資するものである ことが望ましい。

イ)科学というのは人類普遍で中立的であるべきであり、科学者は広く国境を超えて交流することで 研究を進めるものであり、その成果は人類全体の利益に叶うものであることが望ましい。

  枝野 野田 吉田 一般
A.(ア)の見解のみを意識する          

B.(ア)の見解をやや強く意識する

      14.3

C.(ア)と(イ)の見解のバランスをとることが大事である

      23.3

D.(イ)の見解をやや強く意識する

    42.9

E.(イ)の見解のみを意識する

        14.3

F. その他:

        4.8

問2-1

ここ30年程度で見ると、大学ランキングや人口比での論文数、トップ10論文数などのあらゆる研究指標で毎年のように日本の順位が低下していることが報じられ、日本の大学の研究競争力の凋落が問題視されています。このことについて、お考えでに一番近いものを一つお選びください。

  枝野 野田 吉田 一般
A. 日本の研究の競争力は向上していると認識している。          

B. 日本の研究の競争力は低下していると認識している。

  100

C. 日本の研究の競争力は向上も低下もしていないと認識している。

         

D. 特に日本一国単位で「研究の競争力」を問う必要は感じていない。

         

F. その他:

         

問2-2

前項の質問でBまたはCとお答えの場合、その問題点はどこにあるとお考えですか? お考えに近いものをお選びください。(この項目は、複数の選択肢をお選びいただけます)

  枝野 野田 吉田 一般
A. 科学技術基本法や「選択と集中」政策の失敗     100

B. 「ゆとり教育」など、教育政策の失敗

         

C. 大学任期法やポスドク1万人計画などによるキャリアパスの崩壊

  76.2

D. 旧態依然たる大学の組織や人事

        28.6

E.大学における研究以外の事務業務の増加やサポートスタッフの不足

  76.2

F. 企業との連携不足

        4.8

G. 経済力の低下や少子化による自然の減退であり、独立した問題ではない

        28.6

H. その他:

        38.1

問3

特に、科学技術基本計画等に基づいて支援する研究分野を絞ったり、業績評価などに基づいて優秀な研究者や研究能力の高い大学に支援を絞る「選択と集中」戦略については、その有効性について多々議論が出ています。このことについてお考えに近いものをお選びください。(この項目は複数の選択肢をお選びいただけます)

  枝野 野田 吉田 一般
A.「選択と集中」戦略を見直し、少額でも幅広い研究者に研究費が分配されることが好ましい。       95.2

B.社会的、経済的効果の高い分野に資金を集中することは有効である

      9.5

C.大学ファンドなどを利用し、経営戦略に優れた大学・研究機関に研究費を集中することは有効である

        4.8

D.個々の研究者の研究力を適正に評価し、研究費を集中することは有効である

      23.8

E.優れた経営センスを持った企業人などを経由して、経済効果の高い分野に研究費を集中することは有効である

         

F. その他

        14.3

枝野: 研究においては、どの分野どの研究者から画期的な研究成果が生まれるかを予測するのは難しい。

 

吉田:選択と集中が一概にダメではないが、研究力の底上げのため、特に地方の大学には支援をすべき。


問4

科学技術要覧』令和5年度版によれば、我が国の国内総生産 (GDP) 比でみた政府負担研究費は概ね0.6%から0.7%の間で推移しており、他の先進国と比較して低い水準にあり、拡充が必要だといわれてきました。一方で、20世紀には1%を超えるのが一般的だった他の先進国も、近年は0.7%から0.9%と低迷しており、政府支出の重要性は相対的に低下しているとも言えます。今後、我が国の政府負担研究費をどうすべきとお考えでしょうか。お考えに最も近いものを1 つお選びください。

  枝野 野田 吉田 一般
A. 大幅に増やす。     42.9

B. やや増やす

          42.9

D. 現状を維持する

         

E. やや減らす。

        14.3

F. 大幅に減らす。

         

F. その他:

       

野田:各予算の具体的な増減の扱いは、政府全体の毎年の財政状況等も見据えて、国全体の総合的見地から考えていくべきテーマである。


問5

日本の研究競争力向上には基礎科学の充実こそが欠かせない等の理由を挙げて、科学者有志によって「日本の未来のために、 科学研究費助成事業(科研費)の増額を求める」署名が始まっています。声明文では、科研費を現状のおよそ倍の4800億円に拡充することを求めています。これについて、ご意見に最も近いものを一つお選びください。

  枝野 野田 吉田 一般
A.科研費を4800億円かそれ以上に増額するのが適当である。     33.3

B.科研費倍増は困難でも、今より引き上げるのが適当である。

         28.6

C.科研費は現状維持かインフレ相当程度の増額にとどめるのが適当である。

        28.6

D.大学の科研費依存体質を改めるため、科研費予算は低減させていくのが適当である。

         

E. その他:

      9.5

枝野:運営費交付金を国立大学法人化時点を参考に現状より増額する。

 

野田:各予算の具体的な増減の扱いは、政府全体の毎年の財政状況等も見据えて、国全体の総合的見地から考えていくべきテーマである。


問6

国立大学協会(国大協)は6月7日に「我が国の輝ける未来のために」と題した声明を発表し、国立大学の財政悪化を訴えています。この中で明確に述べられてはいませんが、報道等によると永田恭介会長(筑波大学長)は会見で(毎年、減額が続いている)「運営費交付金の増額を(国民に)後押ししてもらいたい」と述べたとのことです。国立大学運営費交付金には大学の規模等に応じて給付される基幹経費分と、申請に応じて給付され、成果を求める機能強化経費部分がありますが、ここでは基幹経費について、お考えに近いものを一つお選びください。

  枝野 野田 吉田 一般
A.運営費交付金のさらなる減額を続ける          

B.運営費交付金の減額を止め、当面は現状程度の金額にとどめる

         9.5

C.運営費交付金を国立大学法人化時点と同等の金額(1兆2000億円程度)まで戻す

        42.9

D.運営費交付金を国立大学法人化時点よりもさらに増額させる

    38.1

E. その他:

      9.5

野田:各予算の具体的な増減の扱いは、政府全体の毎年の財政状況等も見据えて、国全体の総合的見地から考えていくべきテーマである。


問7

昨年度は理研などでの雇い止めが問題になりました。研究職は現在、1997年に定められた「大学の教員等の任期に関する法律」(以下「任期法」)によって、無期雇用が一般的な日本の労働慣行の中で特例的に任期を数年に定めた雇用ができるようになっています。一方、労働契約法が改正されたことにより、2013年以降に5年以上継続して雇用関係にある場合は無期転換権が生じることになりました。ただし、「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」(以下「イノベーション創出法」)は研究者に限って無期転換権を得るまでの期間を10年に延長しています。そのため、2013年から10年が経過する昨年に、前述の混乱が発生したことになります。このことについて、お考えに近いものをお選びください(この質問は複数の回答をお選びいただけます)

  枝野 野田 吉田 一般
A. 研究者の流動性は高められるべきで、法律の範囲内であれば解雇が容易に行えると解釈すべき          

B. 研究者も一定の安定が必要であり、法律を厳格に解釈して無期転換権が付与されるべき

     52.4

C. 職位や業務内容(研究重視か教育重視か)によってある程度差をつけて、両方の雇用形態が選べるようにすべき

         38.1

D. 組織によって競争力重視で高賃金か、安定しており低賃金かといった差をつけて、両方の雇用形態が選べるようにすべき

        23.8

E. 任期法を廃止して、研究者も無期雇用を前提とすべき

      19.0

F. 運営費交付金増額などの措置をとり、なるべく多くの無期雇用を確保すべき

  66.7

G. 労働契約法の無期転換権を破棄する法改正を行うべき

         

H. 無期転換権自体は良いが、研究職を例外としたイノベーション創出法の条文を破棄する法改正を行うべき

        4.8

I. 民間企業や公務員にも任期法相当の新法を制定し、解雇を容易にすることで流動性を高めるべき

        4.8

J. その他:

        14.3

野田:研究者の雇用の安定に向けて、どのような政策対応が効果的なのか精査した上で対応策を決めていくべきである。


問8

国立大学の学費は年間数万円だった1970年台から物価の上昇率を上回る速度で急騰し、国立大学法人化に伴い2004年に定められた標準額である535,800円に達しました。その後20年間、多くの国立大学の学費はこの金額でほぼ固定されています。法律上は大学の裁量で標準学の2割まで値上げ可能であり、昨今の物価高などもあって東京大学などいくつかの大学が値上げの計画を発表しています。また、慶応義塾の伊藤公平塾長などが私学との公平な競争のために、国立大学の学費も大幅値上げできるように法改正すべきだとして、目安として年間150万円程度が適当だという認識を示しました。それらの動きに対して対して学生などから大きな反対運動が起こっています。これについてお考えに一番近いものを一つお選びください。(なお、奨学金については次の質問でお答えください)

  枝野 野田 吉田 一般
A.国立私立を問わず年間の学費を150万円程度まで上げることに賛成である。         4.8

B.国立大学の学費に関しては、私学よりも安い範囲である程度の値上げをすべきである。

         4.8

C.国立大学の学費は原則として現状を維持か、物価の上昇の範囲内の値上げに収めるべきである。

         23.8

D.国立大学の学費は、無償化ないし大幅に減額すべきである。

  57.1

E. その他:

        9.5

問9

2022年の自殺者統計から「奨学金の返済苦」が項目に挙げられるようになり、22年で10人、23年で6人の方がこれを理由に自殺を選んでいます。その後、給付型の奨学金や学費免除も拡大されていますが、学費・生活費の高騰や高学歴化に十分に対応できるものではないという不満の声も聞かれます。社会問題としての「奨学金返済問題」について、お考えに近いものを一つお選びください。なお、国際的には奨学金(Scholarship)は給付型であり、返済が必要なものは「教育ローン」とするのが一般的ですが、ここでは日本型の用法に従っています

  枝野 野田 吉田 一般
A.現在返済中の方について救済措置が必要である。今後は給付型奨学金を拡充する。   57.1

B.現在返済中の方について救済措置が必要である。今後については特に制度変更は必要ない。

         9.5

C.現在返済中の方について救済措置は考えていない。今後は給付型奨学金を拡充する。

         19.0

D.現在返済中の方について救済措置は考えていない。今後についても特に制度変更は必要ない。

        4.8

E. その他:

        9.5

問10

科学技術・学術政策研究所 (NISTEP)の『科学技術指標2023』に示されるように、日本は人口あたりの博士号取得者で他の先進国に立ち遅れているといわれています(図参照)。また、大学院博士課程進学者は2003年をピークに漸減しています(2023年は微増していますが、これが今後も続くのかは分かりません)。このことについて、お考えに近いものを一つお選びください。

  枝野 野田 吉田 一般
A. ジャンルを問わず全体的に博士号取得者を増やしていくべきである。   61.9

B.国際競争力の泉源になるような理工系を中心に取得者を増やしていくべきである。

         4.8

C.特に差の顕著な人文・社会系を中心に取得者を増やしていくべきである。

         4.8

D.政策的に増やす努力をする必要はない。

        19.0

E.大学院博士課程の定員そのものを減らしていくべきである。

         

F. その他:

        9.5

問11

報道によれば、日本学術会議は政府から切り離して法人化する方向で議論が進んでいます。論点は多々ありますが、ここでは現在の学術会議法4〜6条に規定された、諮問や助言について伺います。学術会議が法人として独立した場合は、これらの機能はどうなるべきだとお考えか、最も近いものを一つお選びください。

  枝野 野田 吉田 一般
A.総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)などの他の政府機関や審議会等の設置で目的は十分適うので、特別な諮問機関は必要ない       28.6

B.法人化した学術会議に政府が個別項目について予算を支払う形で諮問するべきである

         42.9

C.米国の科学技術政策局(OSTP)のような形で、政府内に新たに諮問機関を設置すべきである

         14.3

D. その他:

  14.3

枝野:現行の独立性・自律性が保たれるようにすべきだ。

 

野田:まずは専門家による検討を尽くした上で、その機能のあり方や課題を整理すべきである。

 

吉田:現状維持すべき


問12

国際卓越研究大学制度について伺います。初年度は、東北大学だけがこの制度の適用を受けることになりましたが、今後のこの制度の方向性はどうあるべきでしょうか。お考えに近いものを一つお選びください。

  枝野 野田 吉田 一般
A.国際卓越研究大学が一校またはごく少数に止まっても、審査は現状通りかより厳格にすべきである         4.8

B.国際卓越研究大学が数校程度になるように、大学とも協力して規模を拡大していくべきである

         19.0

C.国際卓越研究大学そのものが適切ではないので、より多くの大学を広く浅く支援できるやり方に変えるべきである

         71.4

D. その他:

    4.7

野田:制度の運用業況とそれに伴う効果・弊害等を見極めた上で、さらに検討を深めるべきである。

 

泉:立憲民主党は、2021年の204回通常国会で 提出された「10兆円規模の大学ファンド」を創設 する法案には賛成したが、208回通常国会で提出された法案には反対した。その理由は、①大学ファンドからの助成は「国際卓越研究大学」として認定される数校に限られ、運営費交付金などの基盤的経費の拡充や、個人の研究者に対する支援にはつながらない可能性がある、②時流に乗った研究しか採択されず、目立たない基礎研究には支援が届かない懸念がある、③「国際卓越研究大学」の認定や計画の認可に関しては「総合科学技術・イノベーション会議」(CSTI)から意見聴取等を行うとされているが、そのメンバーは政権が関与し、産業寄になっている懸念があるためである。


問13

国立大学法人法が改正され、一定規模以上の国立大学には外部有識者を含む「運営方針会議」の設置が義務付けられました。これによって国立大学の運営がより社会に開かれたものになることが期待される一方で、社会的圧力に屈しやすくなるのではないかという懸念も指摘されています。これについて、お考えに近いものを一つお選びください。

  枝野 野田 吉田 一般
A.運営方針会議や類似の仕組みはより多く、ないし全ての国立大学に必要である。         4.8

B.運営方針会議や類似の仕組みを大規模研究大学に限って義務付けた現行法は適切である

         9.5

C.運営方針会議や類似の仕組みは国際卓越研究大学に指定された大学だけで良い

         19.0

D.運営方針会議や類似の仕組みは大学に適切ではないので廃止か大幅な見直すをすべきだ

    66.7

E. その他:

       

野田:制度の運用業況とそれに伴う効果・弊害等を見極めた上で、さらに検討を深めるべきである。


問14

「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律」(以下、同法)では、国家安全に関わる情報を政府と共有する企業に対して、従業員の身辺を調査することを義務付けていますが、現在のところ対象は「事業者」とされており、大学は対象になっていないように読めます。この状況が維持されるべきかどうかについて、お考えに近いものを一つお選びください。

  枝野 野田 吉田 一般
A. そもそも同法が問題を抱えており、廃止や改正を急ぐべきだ         23.8

B. 大学と安全保障に関わる政府部局との協業は「安全保障技術研究推進制度」等、成果の公開が前提の制度のもとに行われるため、大学研究者に機密の保持を要求する必要はない

         14.3

C. 大学研究者も政府の機微情報を扱うことが想定されるが、その場合は当該研究者を政府やセキュリティ・クリアランス制度を扱える企業で雇用するなど、同法を柔軟に運用すれば十分である

         42.9

D. 大学研究者にもセキュリティ・クリアランスを課すべきであり、そのために必要な法や制度改正があれば行うべきだ

        19.0

E. その他:

   

枝野:現状を維持すべき。運用については引き続き監視・改善が必要。

 

野田:わが国における機微情報の保護の実態等を踏まえた上で、さらに検討を深めるべきである。

 

 泉:経済安全保障の確保と経済活性化の両立を図るものとして一定の評価が出来る一方、秘密指定の対象や身辺調査の対象が法文上明確でないなど、国民の知る権利やプライバシー保護などとの関係で問題点が多いうえ、とりわけ特定秘密保護法との関連で、秘密保護法制の適用拡大への懸念が強くある。国民の権利利益に関わる運用基準の不透明さなど制度全体に対する懸念が完全に払しょくされていない。

 

吉田:現状維持すべきである。が、本法は、国民の知る権利やプライバシー保護などの国民の権利利益の関係で問題点が多いうえ、秘密保護法制の適用拡大などの懸念があるものであり、引き続き運用については監視を続け、法案の弊害や国民不安を解消されるようにすべき。


問15

問15)気候変動など、科学政策の結果が市民生活に直結する局面が増えてきました。欧州では、コンセンサス会議など政治家だけでなく一般市民がこれらの問題について話し合い、その結果を一定政策に反映させる「参加型民主制」の手法が利用される機会も増えています。日本でも北海道の遺伝子組み換えに関するコンセンサス会議や杉並区の気候区民会議など、少数ですがこれらの仕組みを利用した政策づくりも増えてきました。これらの試みについて、お考えに近いものを一つお選びください。

  枝野 野田 吉田 一般
A.有権者は選挙によって意思を示しているので、それ以外の機会は原則として不要である         9.5

B.それによって政策の方向性が大きく変わるべきではないが、市民の意識喚起のために有効である

         42.9

C.参加型の制作決定プロセスを日本でも積極的に導入し、政策に反映させるべきである

    42.9

D. その他:

      4.7

野田:市民参加型のプロセスを活用した政策形成は、政策自体の質を高める上でも有意義である。


問16

現在、国際リニアコライダー(ILC)を東北地方に誘致する計画が進んでいます。ILCは質量の仕組みの解明につながるといった期待が持たれていますが、それらの研究が数年で産業応用につながるというものでもないのも事実です。その一方、総工費は一兆円前後になることも想定され、誘致国がその多くを負担することになると懸念されています。学術会議も装置の巨大化による研究の推進には持続性がなく、他の重要な研究予算も圧迫されるとして、誘致に否定的な見解を示しています。この問題について、お考えに近いものを一つお選びください。

  枝野 野田 吉田 一般
A.国際リニアコライダー(ILC)を日本が誘致すべきである。予算は通常の政府研究費の枠外で手当するべきである。         9.5

B.国際リニアコライダー(ILC)を日本が誘致すべきである。予算的には現状の政府研究費の枠内で考える。

         4.8

C.国際リニアコライダー(ILC)を日本が誘致すべきである。予算的には諸外国の負担増や民間寄付などを活用し、政府研究費を圧迫しない方法を考える。

    33.3

D.国際リニアコライダー(ILC)を日本が誘致すべきではない。どの国に決まっても一定の人的、資金的協力はすべきである。

        23.8

E.国際リニアコライダー(ILC)を日本が誘致すべきではない。そもそも、直接的に経済的利益につながらない研究にかけるは抑制していくべきである。

         

F.地層の安定など科学的、技術的観点から日本への誘致は適切ではない

        4.8

G.現段階では政治が判断できる状況にはなく、専門家による計画の精査が必要である

        19.0

H. その他:

      4.8

野田:専門家による計画の精査を経た上で、国際的な議論の動向や科学的な成果の見通しなどを踏まえ、改めて検討されるべきである。